下水工事とは
下水工事とは、私たちの生活や事業活動によって排出される汚水や雨水を安全に処理・排水するための下水道設備を整備・維持する工事です。都市部から農村部まで、快適で衛生的な生活環境を守るために不可欠な社会基盤のひとつです。
下水道の役割
下水道には主に次の3つの役割があります:
- 生活環境の改善
汚水を速やかに排除することで、悪臭や害虫の発生を防ぎ、衛生的なまちづくりを実現します。 - 公共用水域の水質保全
河川や湖、海などに汚水が直接流れ込まないよう、浄化センターなどで処理してから放流する仕組みを整えます。 - 都市型水害の防止
大雨の際に発生する雨水を効率的に排水し、道路や住宅地の浸水被害を防ぎます。
主な下水工事の種類
1. 汚水管渠工事(おすいかんきょこうじ)
住宅や事業所から出る生活排水・産業排水を集め、処理施設まで送るための汚水用の配管(管渠)を敷設する工事です。
2. 雨水管渠工事(うすいかんきょこうじ)
道路や屋根から流れる雨水を効率よく排水するための専用配管を整備する工事です。局地的豪雨や台風による浸水対策として重要です。
3. 合流式下水道改良工事
汚水と雨水を同じ配管で流す「合流式」下水道において、雨天時に未処理水が放流されることを防ぐための貯留槽・分流施設の整備などを行います。
4. マンホール設置工事
管渠の点検や清掃のために必要なマンホールを設置する工事です。施工には地形・地質・交通状況への対応力が求められます。
5. ポンプ場整備工事
低地や内水氾濫しやすい地域で、雨水・汚水を効率よく排水するためのポンプ場を整備する工事です。
6. 公共桝設置工事(こうきょうます)
住宅や建物からの排水を下水道本管に接続する際に必要な接続桝(ます)を設置する工事です。
下水工事の施工上の特徴
- 掘削作業と地下埋設物の調整
下水工事では道路の下を掘削して配管を敷設するため、水道管・ガス管・通信ケーブルなど他のライフラインとの位置関係の調整が重要です。 - 交通規制・生活影響への配慮
生活道路での工事が多いため、通行止め・迂回路の確保・騒音対策など、住民への丁寧な対応が求められます。 - 長距離・深度対応
勾配をつけて流す重力式配管では、一定以上の距離や深度での施工技術も必要になります。
下水工事の意義
下水道が整備されることで、地域全体の生活水準や衛生環境が向上し、公共用水域の水質保全や災害対策にもつながります。
また、観光地や農村部でも下水道の普及は重要なインフラ整備の一環であり、地域の持続的発展に貢献する基盤づくりのひとつでもあります。
主な工事受注実績
日付 | 工事名 | 発注者 |
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平成 11年 | 喜茂別町特定環境下水道管渠新設工事1工区 | 北海道小樽土木現業所 |
平成 11年 | 昆布地区農業集落排水事業管路施設工事(第1工区その2) | 北海道蘭越町 |
平成 13年 | 留寿都村特定環境下水道管渠新設工事2工区 | 北海道 |