しゅんせつ工事業とは
水辺の安全と機能を守る、縁の下の力持ち
しゅんせつ工事業(浚渫工事業)とは、河川・港湾・湖沼・ダム・水路・運河などにおいて、底に堆積した土砂やヘドロを取り除く工事を専門とする建設業種です。
「浚渫(しゅんせつ)」とは水底をさらうことを意味し、水深の確保・流下機能の回復・船舶の航行安全・水質改善などを目的に行われる工事です。
建設業法においては、「水底の土砂等を掘削、揚土または運搬する工事」と定義されており、河川・港湾・農業用水路・排水機場などの維持管理・防災対策に欠かせない工種とされています。
主なしゅんせつ工事の内容
河川のしゅんせつ工事
台風や出水によって堆積した土砂を取り除き、河道断面を確保して洪水被害を防止します。流下能力の回復が主な目的です。
港湾・航路のしゅんせつ工事
船舶の安全な航行や接岸のために、港の水深(泊地・航路)を確保するための掘削作業です。海底地形や海流の影響も考慮されます。
ダム・調整池・湖沼のしゅんせつ工事
堆砂によって貯水量が減少した施設に対し、機能維持・長寿命化・水質改善を目的として実施されます。環境や生態系への配慮も重要です。
農業用水路・排水路のしゅんせつ
水田や農業用地への水の安定供給・排水の円滑化のために、用水路内の堆積物や障害物を除去する工事です。農村整備とも密接に関係します。
しゅんせつ工事の施工技術と特徴
多様な工法による柔軟な対応
しゅんせつ工事は現場条件により工法が選定されます。主な工法には以下があります:
- グラブ浚渫工法:バケットで土砂をすくい上げる最も一般的な方法
- ポンプ浚渫工法(サクション):水と土砂を混ぜてパイプで吸い上げる方式
- バックホウ浚渫:陸上から重機で直接掘削する方法(浅場・狭所向け)
- ホッパーバージ併用方式:土砂を仮置き・運搬する専用台船との連携方式
濁り・水質・騒音への配慮
しゅんせつ工事は水中で行われるため、濁水防止膜の設置や作業時間の調整、水質監視など、環境への配慮が求められます。
流域管理と一体となった計画性
しゅんせつ工事は単独で完結するものではなく、流域全体の治水計画・河道整備・環境保全と連動する必要があります。
当社のしゅんせつ工事業の取り組み
当社は北海道知事より一般建設業「しゅんせつ工事業」の許可を取得し、官公庁発注のしゅんせつ工事を中心に、地域の防災・維持管理・環境対策を支える浚渫工事に携わってまいりました。
- 河川・農業水路における定期浚渫・災害対応しゅんせつ
- 洪水対策としての緊急掘削・浸水軽減措置
- 貯水池・沈砂池などの容量回復工事
- 施工後の土砂運搬・処分対応まで一括管理
熟練のオペレーターと安全管理体制のもと、機動的かつ環境に配慮したしゅんせつ施工を実施しています。
今後のしゅんせつ工事に求められる視点
近年の気候変動による集中豪雨・河川氾濫・高潮被害の多発化により、しゅんせつ工事の重要性はますます高まっています。
また、環境保全・水辺の生態系保護の観点からも、計画的かつ持続可能な維持管理が求められています。
当社は今後も、地域の水辺インフラを守る専門業者として、確かな技術と誠実な施工で、安全・快適な流域環境の実現に貢献してまいります。